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劇団☆新感線『髑髏城の七人 鳥』感想 +ステージアラウンドについての話

 劇団☆新感線(以下、新感線)の『髑髏城の七人 鳥』を観てきた。

髑髏城の七人は、数年前にゲキシネで2011年のワカドクロを見て猛烈に感動。弟を連れて再度見に行き、その後DVDとサントラを購入するほどお気に入りの作品になった。
その作品が再びロングランで上演されると聞き、喜び勇んでチケット取ったよ~~(花は不覚にもチケ逃したけど…) 

※以下、ネタバレ注意

やっぱり『髑髏城』は最高の作品

もはや好きすぎて「 はあ〜〜髑髏城最高〜〜!!!」という薄すぎる感想しか出てこない。
生で観られるのは初ということで、とても楽しみにしていた髑髏城。
ストーリーの大筋は同じとはいえ、役者のキャラ作りや演出、登場キャラクターに違いがあって、新鮮な気持ちで観ることができた。
そして、大注目の新感覚劇場『ステージアラウンド東京』だからこそできる演出も面白かった…。(詳しくは後述)

それにしても、中島かずきさんの脚本は本当に最高だなァ…。老若男女が楽しめると思う。
頻繁にステージアラウンドの宣伝をテレビでしていたからか、普段は演劇を見ない人も結構来ていたような。

役者別の感想

  • 捨之介…阿部サダヲ
    「捨之介ちいさ………ちっさ!!!!!」(最初の感想)
    小栗捨之介が185cmなのに対し、阿部捨之介は164cm。どうりで小さいと思ったよ!
    身長のせいかはわからないけれど、可愛さとかお茶目さマシマシな捨之介で愛らしかった。可愛いおじさんって感じで。でも、キメる時はカッコいいというギャップがいい。

  • 天魔王…森山未來
    相変わらず、真面目なシーンとおどけたシーンの落差がすごい。天魔王の狂ってる感が出ててとてもよい。
    前回同様、死亡シーンの迫力に見入ってしまった。森山さんは表情の演技がうまいなあ。

  • 無界屋蘭兵衞…早乙女太一
    ワカドクロでも蘭兵衞を演じていた早乙女さん。
    ワカドクロでは黒髪で生真面目な性格だったけど、今回は白髪(銀髪?)だし、性格もちょっぴりワイルドになった感じがする。
    それにしても、女形をやっていただけあって色気がすごいな〜。そして、殺陣が速すぎて圧倒された。

  • 極楽太夫松雪泰子
    ワカドクロの小池太夫より、厳格があって凛々しい。これはこれですごく好きな極楽太夫だなあ。
    あまりの美しさに、初登場時からオペラ釘付けになっちゃったよ~〜。眼福です。
    ただ、髑髏城での対決でおっぱいピストルがなかったのは残念…見たかった…。

  • 沙霧…清水葉月
    (捨之介よりも)小さくて、ぴょんぴょん動き回ってる感じがとにかく可愛い。少女というより小動物的な可愛さがある…。
    声も可愛すぎずカッコ良すぎず、ほどよくハスキーでとても好き。あと、照れる演技がべらぼうに可愛い。

  • 渡京…粟根まこと
    「ワカドクロに渡京なんてキャラいたっけ?裏切りキャラは三五では?」と思ってググったら、髑髏城初演で粟根さんが演じていたキャラらしい。(ちなみに三五は『花』には登場してたらしい)
    粟根さんのビジュアルと声、演技がものすごく好きな自分。ぶっちゃけ、鳥のチケットは粟根さん目当てで取ったくらい。結果、「粟根さんはいい役者だなァ…」と再認識した。

  • 贋鉄斎…池田成志
    アドリブMVP。捨之介が斬鎧剣を頼みに来るシーンは、池田さんのアドリブ劇場みたいなもんだった…。
    贋鉄斎、登場キャラクターの中で一番テンション高いんじゃないかな…。

  • 迷企羅の妙声…右近健一
    粟根さんと同じく、好きな俳優の右近さん。あの「~だよォーー↑↑↑↑↑!!!!」という喋り方が聞けて大満足でございます。ただ、出番が少なくて泣いた…。

劇場『IHIステージアラウンド東京』について

髑髏城の七人がこけら落としである、最新の劇場・ステージアラウンド。
TBSがテレビで特番を放送したり、ニュースやバラエティ番組で特殊したりとかなりの宣伝っぷりだったなあ。

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客席全体が回転することで場面転換するという、面白い仕組みがウリ。ちなみにこの仕組みはオランダ発で、ステージアラウンド東京が世界で2番目らしい。
めっちゃどうでもいいけど、この写真の青空すごく綺麗じゃない??

  • アクセスが最悪
    ステージアラウンドへのアクセスは、公式によると以下の3つである。

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  1. 東京メトロ有楽町線 豊洲駅から徒歩15分
  2. ゆりかもめ 市場前駅から徒歩5分
  3. 都営バス 新豊洲駅停留所から徒歩6分

「なんでそんな僻地(失礼)に建てた?」と小一時間問い詰めたい

ただでさえ演劇って遅刻御法度なのに、徒歩やら遅れやすいバスやら止まりやすくて本数も少ないモノレールやら…うーん解せぬ。いや、劇場建てる場所がなかったんだろうけど。
あまりにもアクセスが悪すぎて、新感線が『ステージアラウンドへの行き方』をNAVERまとめで作っちゃったからね。公式で。
ちなみに、終演後は劇場前にたくさんのタクシーが停まってた。運ちゃんたちわかってる~~!

  • 周囲に驚くほど何もない
    マジで驚くほど何もない。予想以上に何もない。豊洲市場しかない。

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ちなみにコレ、ゆりかもめ市場前駅を出てすぐの光景。すなわち、一番栄えているであろう駅前です。
劇場の周辺にはコンビニ1つないので、飲食物は豊洲駅か地元で買って来るのを強く勧めます。

  • 快適に見られるかは運ゲー
    ステージアラウンドこけら落としから多数ネット上に出ているのが「前の人の頭で舞台がほとんど見えない」という声。
    あまりにもそんな声が多かったため、自分はもはや「どんだけ見えないのか検証しに行こう」くらいの気持ちで劇場に向かったよ…。

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自分の座席は、30列25番。列は後方だけど、どセンターだった。
「後方で人の頭かぶるとか、もう絶対見えないじゃん」と思っていた…が、人の頭1つ被らず、超快適に観れた。
どセンターだからか知らないけれど、もしやこの席は当たりだったのでは…?あまりにも快適すぎて、ネットの評判が嘘だったのでは?と思ったレベル。

ただ、ステージの高さが異様に低く、他の座席の人は上演中に身体を左右にしていたので、やはり席によってはかなり観づらそう。あと、座高が高い人が前にいるのもキツそう。
ちなみに、座席は前後の隙間が映画館並みに狭く、肘置きは両サイドともなかった。

  • トイレは超優秀
    観劇趣味の女性にとって非常に重要なトイレ。演劇は女性ファンが圧倒的に多いため、開演前や幕間はコミケの壁サークル並みに長蛇の列ができる…。
    しかし、ステージアラウンドでそんな不安は無用だった。使用中のトイレが一目でわかる、扉の『空室』プレートや、一方通行になっているトイレの構造、たくさんの個室のおかげでとても快適だった。
    ちなみに、トイレには女性スタッフが立っており、常に列整理のアナウンスをしてた。スタッフ立ってるトイレなんて初めて見たよ…スゴ…。

  •  総括
    なんというか、よっぽど観たい公演じゃないと行く気にならない劇場って感じ。
    回る客席っていうコンセプト自体はものすごく面白いです。アトラクションっぽいし、場面転換スタイリッシュだし、ワクワクするし。でも、その他がマジでトイレしか褒めるところがない。
    うーん、どうなんだろう。100歩譲ってアクセスさえ良ければまだマシなんだけども…。正直、もったいないなあと思う。

なんにせよ、髑髏城は一見の価値あり。『鳥』だけ観る予定だったけど、他のも観たいな〜と思ってしまったほど。
いくらアクセス悪くても、チャラになるよ。まだ観てない人はよろしく~!