おこめのおうち

観劇(主に宝塚)、ゲームや本などの感想を正直に書きつらねるブログです。

『今年買って良かったモノ』ー古き良き女学生!

今週のお題「今年買って良かったモノ」

『今年買って良かったモノ』ということで、自分のAmazon楽天の購入履歴を見てみることにした。

家具はたいして質の良い物を買っていないし、他は宝塚関連の物や電子書籍で購入した漫画が多い…。

そんな中、「これだ!」という買い物を見つけた。

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『少女の友ー創刊100周年記念号』

『女學生手帖ー大正・昭和乙女らいふ』

の2冊である。

女學生手帖: 大正・昭和 乙女らいふ (らんぷの本)

女學生手帖: 大正・昭和 乙女らいふ (らんぷの本)

 

 

『少女の友』とは?

1908年(明治41年)から1955年(昭和30年)の間に出版されていた少女(女学生)向けの雑誌であり、小説やイラスト、読者による投稿コーナーや映画スターの写真などが中心となっている。

組み立て式の付録まで付いていて、今現在出版されている雑誌と殆ど変わらない内容だ。
また、掲載されていた小説も、かの有名な川端康成をはじめ吉屋信子など、非常に豪華なラインナップである。
この時代の女学生に大層な人気があった雑誌らしく、日本の出版史において、もっとも長い年月刊行されたという
 

女学生の間で流行した文化『エス

そしてこの2冊を語る上で欠かせないのが、当時女学生の間で流行したエスという文化である。
 
エスとは主に憧れの上級生を「お姉様」と呼び慕ったり、特別親しい同級生と友情を超えた擬似姉妹のような特別な関係を築くことを言う。
余談だが、「エス」の語源は「sister」のSである。
 
エスが流行ったのは、当時女学生が男性とつるむのを「不良」としタブーとしていたためであったという説や、決められた結婚などという、当時の男性優位社会へ対する反抗意識から生まれたといった説がある。
 
主に下駄箱を利用した手紙の交換(手紙を入れているところを見られてはならない場合もある)をはじめ、プレゼントを贈り合う、お揃いの髪型や服装をする、登下校を共にするなどと内容は意外と現代の女の子と変わらないように思える。
特に、お揃いの髪型や服装をするというのは、今流行りの『双子コーデ』(仲の良い二人でお揃いのコーディネートをすること)と非常に似ていると思う。
手紙交換(今はメールかもしれないが)やプレゼントの贈り合いも、普通に友人同士でいまだにやることのように感じる。
 

友情との違いは?

「じゃあ、エスってそんなに普通の友情と変わらないんじゃ?」と思われるかもしれないが、一言でまとめると、友情より重いのだ。
友情は「多くの人達と仲良くしましょう!」だが、エス基本一対一の関係である。
つまり、一度エスの関係を築いてしまうと、他の子とはエスにはなれないのだ。
もしエスを二人と築いてしまった場合、それは裏切りにあたる。重い。
更に、なんとエス同士で心中した事件が1911年に起きているのである。
こういった重さもあり、世間からは少しばかり問題視されていたこともあったらしい。
 
上記の2冊内に掲載されている「お悩み相談コーナー」にも、「憧れのお姉様を思うとつらいです。ああお姉様!」といった投稿や、「◯◯ちゃんが他の子と仲良くしていて嫉妬する」といった投稿もあり、エスが今で言う普通の友情とは違うことを証明している。
 
時代背景を考えると今以上に人に悩みを打ち明けづらく、心細い生活を女学生たちは送っていたのかもしれない。
そう思うと、女学校という閉鎖された空間で特別に親しい人を作ろうとする『エス』という文化が流行したのは納得できるような気がした。
 
そんな謎めいた女学生たちの生活や『エス』の実態、当時の流行などを知ることができる『少女の友』『女學生手帖』を読んでみてはいかがだろうか。
また、当時の女学生が熱中した吉屋信子氏の小説も是非読んでみて欲しい。
タイトルの通り、花のような美しく儚い話の数々に魅了されることだろう。
 
花物語 上 (河出文庫 よ 9-1)

花物語 上 (河出文庫 よ 9-1)

 

 

屋根裏の二処女 (吉屋信子乙女小説コレクション)

屋根裏の二処女 (吉屋信子乙女小説コレクション)

 

 

 

小さき花々 (河出文庫)

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